「いっただきー・・・・・ぐぇっ!!!!」
Il est
qui
何かが、俺の上に落ちて来た。
俺は、一人でおやつの時間を楽しむはずだったのに・・・・。
全てが、台無し。
お菓子は、目茶苦茶に散乱。
畜生・・・・俺のお菓子!!
「いっ・・・・たた・・・・何だ、此処は。」
「おい、人間か!?よくも、俺のお菓子を駄目にしやがったな!!!」
話せるって事は、人間だよな。
俺、間違っていないよな。
人間なら、弁償してもらうぜ。
「ん・・・・?ほぅ、人間?貴様は、人間なのか。」
“悪かったな。ひ弱な、人間よ。”
俺の上に乗っかっていた奴は、謝ってからどいた。
何か、言い方が凄く気に食わないんですけど。
ひ弱ってなんだよ。ひ弱って。
俺、結構強いんだぜ?
テニス部だし、鍛えられているし。
「貴様、テニス部?なんだ、テニスというのは。」
「はぁ?!テニスを知らないのかよ!!」
これは、驚きだ。
テニスを知らない奴がいるなんて。
俺、初めて見た。
ん?俺、テニスって言ったっけ?
まぁ、いいか。
「テニスってのは・・・・・・・・・じゃなくて!!菓子だ菓子!!こんなに目茶苦茶になっちまったじゃねぇか!!!」
「そう言われてもな。目茶苦茶になったものは諦めたらどうだ?人間。」
「おいおい、諦められるかっての!大体、何なんだよ。人間人間ってよ。お前だって人間だろぃ?」
「ハッ。貴様と一緒にするな。」
グッ・・!!!鼻で、笑いやがった!!!!
「私は、人間なんかじゃない。」
コイツ、相当可笑しい奴だと思った。
何処をどう見たって、人間の女だ。
そりゃ・・・なんか全身が真っ黒な服で覆われているから、立海の生徒じゃないみたいだけどよ。
「日本人じゃ・・・ねぇな。髪は、銀髪だしよ。瞳の色は紅いしな。何人だ?」
「だから、人間じゃない。何度も言わせるな。学習能力がないのか?」
ゾッとした。
俺を睨み付ける瞳が、焔の様に紅い瞳なのに、氷の様に冷たい視線だった。
(な・・・んだよ。この女。)
怖い。
女を怖いと思ったのは、この時が初めてだった。
