一体、何処に居るんだ・・・・・。
真実
あれ以来、には会っていない。
図書館に行っても、居ない。
気付けば、彼女を捜している、自分が居る。
どうした事だ・・・・・・この俺が・・・・・・。
この俺が、一人の女を気にしてどうする。
会えないなら、此処までの縁だったって事じゃねぇか。
それなら、それでいい。
納得すれば、良いんだ。
「あら・・・・・・・・・・・。」
俺は、俯いていた顔を上げる。
すると、そこにはが立っていた。
「お久しぶりです。えぇ・・・と・・・跡部・・先輩?」
「あぁ・・・・。」
本当に、久しぶりだ。
俺は、胸が熱くなっていくのを感じた。
その笑顔を見るのを、何故か、楽しみにしていた俺がいる。
「今日は、ぶつからずに済みましたね・・・。」
「あ?あ、あぁ・・・・そうだな。」
今回も、会ったのは図書館。
しかし、会ったのは窓の付近。出入り口ではなかったから、ぶつかる事はなかった。
たった二回。
会ったのは、二回なのに・・・・・。
一体全体どうなっているんだ?
には、何か不思議な力があるのだろうか。
それ以外に考えられない。
だが、そんな事を口に出したら、笑われるに決まっている。
それだけは、どうしても避けたかった。
「景吾。こんな所にいたんだ。」
俺が、に話し掛けようとしたその時だった。
現在、俺が、遊んでやっている女がやって来た。
・・・・・・・・・・・・タイミングの悪い奴だな。
そろそろ、捨てるか?一日付きやってやったら、飽きた。
一緒にいても、何の得にもならない。
ただ、躯だけが”売り”の女。
「恋人さん・・・ですか?」
「ちが・・・・・。」
”違う
”
俺は、そう言いたかった。
否定したかった。
それなのに・・・・・・・・・。
「そうよ。私達、付き合ってるの。」
女が、馬鹿な事をぬかしやがった。
タイミング悪い上に、これかよ。
お前、この学園にいられないようにしてやろうか?
良い度胸してんじゃねぇか。
お前みたいな女は、俺にふさわしくない。恋人だと?笑わせるなよ。
「そうですか。先輩、素敵な方とお付き合いしているのですね。」
何だよ。
そんな事、言うなよ。
笑顔で言わないでくれ。
胸が、痛む。哀しいと感じる。
お前に、そんな風に思われたくない。
だが、どうしてそんな事を思う俺がいるんだ?
”どうして?” ”何故?”
そればかり。
こんな、曖昧な感
情。
人は、何 て言うのだろう。
俺には、分
からない。