君がね。
さぁ、
「ふぅ・・・・お前等、しっかりやれよ。」
「自分はどないやねん。」
「俺は、少し休む。」
放課後、俺は忍足達にメニューを渡した後、ベンチに寝転がる。
ここ最近、あの夢のせいか、俺は寝不足だった。
あの女の事を考えて、悩んで、眠ろうと思っても、眠れない。
例え眠れなくても、学校へ行かなければならない。
(畜生・・・・誰かも分からないし、どうして出てくるのかも分からない。どうすりゃいいんだよ。)
「跡部ー・・・・・・って、もう寝てんじゃねぇか。」
「そっとしておき。岳人、練習するで。」
“・・・・・・・。”
女が、泣いていた。
いつも変わらない場所で、同じ服を着ている。
“また、お前か・・・・。”
俺は、泣いている彼女に話し掛ける。
しかし、なかなか返事は返ってこない。
“・・・・___て。”
“あ?何言ってんだよ。お前、誰だ。名前を教えろ。”
“・・・・・・・・・。”
“_______です。”
「ま、待て!!!・・・・・・・・・またかよ・・・・はぁ・・・。」
どれだけ、俺の睡眠を妨げれば気がすむんだよ。
後少しで、名前を聞き出せたのに。
どうして、後少しで、俺の目の前から消えるんだよ。
そんなに嫌か?
そんなに、名前を教えたくないのか?
「跡部、大丈夫か?」
「あぁ。顔洗ってくる。」
俺は立ち上がり、水道がある場所へと向かった。
辛い。
睡眠薬でも服用するべきか?
このままじゃ、身体が持たねぇ・・・・・。
“茨って、知ってる?”
ふと、が言っていた言葉を思い出した。
何故、そんな話しをしたのだろうか。
どうも、引っ掛かる。
「・・・・・・・・・いや、やめるか。」
そんな事を考えたって、何もならない。
きっと、俺には関係ないから。
「やるか・・・・・。」
俺は、顔を洗い、テニスコートへと戻った。

