「諦めたら?」
身長差
「いきなり何を言う。」
「だってさ、不二君だよ?あの人気のある、不二君が告白してくれたんだよ?!勿体ない!!」
いや、勿体ないって・・・・そんな事を言われても困る。
私には、私なりの理想像というものがあるのだから。
それを、押し付けられても良い気分じゃない。
例え、友人でも、これは譲れない。
「良いと思うんだけどなぁ・・・絶対に、お似合いだよ!!」
「そんなに言うなら、が付き合え。」
「え、嫌だ。私には、国光がいるんだからね。」
あぁ、そうでした。
には、手塚国光という憎んでも憎んでも、憎み足りない恋人がいるんだった。
まぁ、私は許していないがな。
何たって、以前は、ファンクラブに虐められそうになっていた。
私が、あの時あの場所にいなかったら、彼女は傷だらけになっていたんだ!!
まだ殴られる前だったから、十倍返し位で許してやったが、傷付けていたら、その傷一つに対し、十倍で返す所だった。
あぁ・・・・手塚め。
今度、あんな事があったら、半殺しじゃ済まさん。
が幸せなら、私は何も言う資格がないのかもしれないが、釘を指しておかないとな。
「じゃあさ、他に気になる人がいるの?」
は、首を傾げて私に尋ねてくる。
はぁ・・・・そんな仕種も可愛いな。
。
そんなんじゃあ、世界中の男がイチコロだぞ?
「いないな。付き合おうって事自体、考えたくない。理想に近い男がいないからな。」
「そっか。じゃあ、試しに付き合ってみなよ。付き合ってみたら、案外良い所が見えてくるかもしれないよ?」
「ちょっと待て。例えば、付き合ってだぞ?やはり駄目だったとする。
別れたいと言っても、不二が納得すると思うか?奴は、納得しない。あいつは、そういう男だからな。」
そうだ。
不二は、絶対に別れてくれない。
何がなんでも、私を捕まえておくに違いない。
色々な手段を使い、私が逃げられない様にするんだ。
それが、不二周助という男だから。
確かに、顔が良くて、運動神経抜群だとしても、性格やら身長やらが私は嫌だ。
「。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何か聞こえた気がするが、気にしない事にしよう。
「へぇ・・・・僕を無視するの?良いんだよ?皆の目の前で襲っちゃっても。」
「馬鹿言うな!!」
恐ろしい。
こいつ、本当に恐ろしい奴だ。
サラリと、凄い事を言わなかったか?
しかも、爽やかな笑顔で。
嫌だ嫌だ。
捕まりたくない。
どうして、狙われる様になってしまったんだろうか。
「、そんなに避けないでくれないかな・・・・?僕だって、辛いんだよ。平気な顔をしていたって、心は傷付いているんだから・・・・。」
不二は、本当に悲しそうだった。
その表情を見ると、胸が痛くなる。
そんな表情をさせたのは、私の行動。
私の、発言なのだろうか。
「悪かったな・・・・・。」
自然と、懺悔の言葉が紡がれる。
こうなると、少しは考えてやった方が良いんじゃないかなんて思えてくる。
私は、こういうのに弱いからな・・・・。
「ね、デートしてみたら?」
「は?デート??」
「そう、デート。鬼ごっこみたいな事の繰り返しをするよりも、手っ取り早いんじゃないかな。」
デート・・・・・ねぇ。
どうも、には弱いらしい。
一回位なら・・・・という感じになってしまう。
私も、まだまだなんだろうな。
「良いだろう。一回位なら、デートしてやる。」
「本当?僕と、デートしてくれるの?」
「あぁ。」
私は、デートをする約束をした。
このままの状況でいるよりは、良いと思ったから。
何より、の提案だったから・・・・・。

