それは、不思議な不思議な出会い。
全ては、これから始まったんじゃないかと感じている。
春
晴天が続いた、ある日。
俺は、出会ったんだ。
正直、運命かと思った。彼女と出会ったのは。
今までにない位の、気持ち。
俺は、彼女に惚れた。
他の女とは、違う。
上手く言葉が見つからないが、とにかく、全てが違うんだ。
彼女の微笑み、声、表情。
あの蒼い髪と、金色に輝く瞳。
俺が、嫌な事を言ったとしても、怒ろうとはしない。あの、優しさ。
彼女は、と言っていた。
俺よりも、一つ年下。
高校二年生か・・・・。
しかし、は、どの高校に通っているのか、教えてくれなかった。
何度か聞いたが、ただ笑ってごまかすばかり。
何故言わないのか、理由さえも教えてくれない。
には、双子の姉がいるらしい。
仲が良く、一度も喧嘩をした事が無いと言っていた。
「は、とても素敵な人です。きっと、跡部さんも、彼女を好きになると思います。」
は、嬉しそうに・・・・幸せそうに微笑みながら、言った。
だが、俺はの方がいい。
会ってもいないのに、こんな事を言うのもなんだが、の方がいいんだ。
どうなんだろう。
この気持ちは、恋と呼べるか?
それは、何とも言えない。
まだ、出会ったばかりだから。
だが、嫌いじゃ無い。好きの方が、強い。
時間は、刻々と過ぎていくばかり。
いつかは、別れなければいけない。だが、離れたくない。
と、もっといたい。
時間を、共有したいと思う。
二人だけの世界。
二人だけの空間。
二人だけの・・・・・。
これは、絶対に崩せない。誰にも、入る込むことは、不可能だ。
入り込む者、邪魔する者は、排除するしかない。
「また、会えるか?俺は、もっとお前と話がしたいんだが。
会いたいと願ったり、言ったり、思ったりしたら迷惑か?
もしお前が、そう感じるならば、俺はそんな事は考えない事にする。
迷惑じゃないならば、また会ってくれ。頼むから。」
珍しく、真剣だった。
女に、こんなに夢中になることはなかったのに。
には、夢中になってしまいそうだ。
は、微笑んだまま黙って頷いた。
また、次に会おうと約束してくれた。
俺は、笑顔で彼女を抱き締める。
想像以上に、細かった、の身体。
香水を付けているのだろうか。それとも、シャンプーの匂いなのだろうか。
とても良い香がした。
それは、とても安らぐ香で・・・嫌ではなかったのを俺は、覚えている。