不思議な子だ。


















































恋の予感




































































「君は、何時も此処にいるんだね。」












「・・・・・・・・・・。」

























彼女は、全く答えようとしない。











毎回、答えてくれない。

















































「君さ、どうして何も話さないの?口が、聞けないの?話せないの?」













「・・・・・・・・・。」

































やっぱり、何も話さない。











どうしても、答えない。











何時も何時も・・・・・僕ばかりが、話をしているだけ。











彼女は、何も話そうとしない。
















































「僕はさ、話をしたいんだよ。君と、話したいんだ。ねぇ、話してよ。」













「・・・・・・・・・・。」













































あぁ・・・・どうしてこうなの?











流石に、苛々してきてしまう。











話して、話してよ。











言葉に、してよ。



















































「もう、良いよ!話してくれないなら、良い!じゃあね!!」




















































あぁ、何だか・・・・阿呆らしい。











僕は、どうして此処にいるんだろう。











今日も、どうして来てしまったんだろう。











答えてくれないのは、分かりきっている。












微笑んでくれるのも、分かっているんだ。







































































・・・・・。”




























































「え・・・・・・?」




































































。それが、私の名前。”













































































彼女を、見る。











彼女は、僕の腕を掴んでいた。











声は・・・・出していない。












































じゃあ、この声は何処から?











































“この腕を通して、話をしているんです。今は、これしか方法が・・・・・。”










































「ちょ・・・ちょっと待って。今は?それ、どういう事?」


































“言えません。それが・・・・それが、契約だから。”
















































契約。













一体、誰と?













それすらも、言えないの?




































“今は、今は・・・・・言えません。”



















































彼女は、繰り返す。











表情は、変わらない。











笑ったまま。











笑顔のまま、君はどうしてそんな事が言えるの?











話せなくて、辛くないの?























































「ねぇ・・・・・僕は、何か出来るかな。」
















彼女の為に。











という、気になる女の子の為に。











僕は、何か出来ないだろうか。











そうすればもっと、話せるでしょう?











だから、何かしたいよ。

























































“私は、イエナイ。”




























































フワリ・・・・。























































フワリ・・・・と、姿を変えた。

























































それは、一瞬。
























































まるで、幻みたいに。




























































彼女は、何処へ行ってしまったの?




































































「・・・・・助けてみせるよ。」













僕は、頑張ってみせる。











何か、方法があると思うから。