君は、美しい。
NOではなく、YESで・・・・・
財閥の、一人娘。。
それが、候補者の名前。
写真も、情報も、手に入らない。
一体、どんな女なのか・・・・興味が無いわけではない。
名前以外、何も分からない、謎の女。
そんな女を、妻にすると言うのか?
一体、父は何を考えているのか。それに、俺は、兄達に負けない様に必死なのに。
「全く。この俺もお手上げか・・・・・。」
家か・・・・厄介な相手だ。
いや、しかし。鳳家にとっては、喜ばしい事なのかもしれない。
何故なら、敵になられるとかなり困難だからだ。
よしとするか・・・・・後は、どんな女かが分かれば良いんだが。
「なぁ、思ったんだが。やはりパーティーの時には、盛大にやるべきだよな!鏡夜!!」
「盛大って・・・一体何をやらかすつもりなんだ?少しは、こちらの方も考えてくれよ?」
環は、張り切っていた。
嬢に凄いプレゼントをするとか、婚約発表するとか、ドレスをやるんだとか・・・・・・・・。
どれもこれも、自分の恋人の為にやる事じゃないか。
本当に、一直線な奴だ。
恋に落ちれば、お終いだろう。
やはり、恋をしないに限る。するべきではないな。
「鏡夜、俺の話を聞いているのか?は、可愛いだろう?やはり、彼女は世界一の女性だからな!!」
「あぁ、聞いている。お前の恋人は、素敵で最高で世界一で、もう二度と会えない位、素晴らしい女性なんだろう?
お前が言いたい事は、手に取る様に分かるさ。間違っているか?」
「凄いな、鏡夜!!鏡夜は、超能力でも持っているのか!!!」
馬鹿だな・・・・・。お前が単純なんだ。
そんなの、誰にだって分かるさ。
俺じゃなくても、分かってしまうぞ。
「しかし、パーティーか・・・・・。外の人間は、立入禁止・・と、いうわけではないよな・・・・。」
特に、問題はない筈だ。
保護者を招待し、パーティーを開くのだから、婚約者候補の女性を招待しても構わないだろう。
誰も、文句は言わない筈。
(しかし・・・・・・。)
考えている間にも、時間は、刻々と過ぎていく。
さぁ、どうするか。
無視をして、どんな女かを見るだけにしておくか。
だが、招待をした以上は、対応するべきだな。
困った事だ。
いつか、分かる事だろう。婚約者候補の、顔も、性格も。
だが、知りたいと思ってしまう。
一体、どんな女なのか。
向こうは、俺の事をどう思っているのか。
嫌な感じであれば、断って構わないと言っていた。
しかし、それは同時に、家を、敵に回すことを意味するのではないだろうか。
そうなれば、ただでは済まない。
最悪な結果、鳳家は、衰退してしまう気がする。
それは、それだけは、さけなければならない。
俺は、どうしたら良いのか。ただ、それだけを考えていた。