私は、忍足君に呼び出された。



























君の、 に。

















忍足侑士。



私の斜め後ろの、人。

二年間、一緒のクラス。

氷帝テニス部の、正レギュラー。

関西弁を話す人。

周りの人に、好かれている。所謂、人気者。

現在、彼女はいない・・・・・・・・らしい。






私が、知ってるのはこの位。
この情報が、正しいものかどうかは、何も言えない。
でも、これだけは断言できる。
















私は、忍足君が、大好きです。
正直、恋人のなりたいと思っている。
彼を、好きになったのは・・・あの笑顔。
そして、テニスをしている時の、真剣な表情。


クラスの人と話している時とは、違う。
明らかに、違ったの。
その日から、私は、忍足君の事ばかりを考えている。
ファンクラブが、あるって聞いたけれど、入るのは止めた。

だって、行動が制限されるでしょう?
そんなのは、嫌。絶対に、嫌。
私は、遠くで見つめているだけなんて、耐えられない。



いつか、言えると良いな・・・・そう想いながら一年以上が去った。
行動力がない私。
なんて、駄目なんだろう。
いざとなると、勇気が出ない。


こんな、私が嫌だった。
でも、ずっと遠くから見つめたまま。




「駄目だなぁ。私。どうしてこんなんだろ・・・。」
そんな風に、考えていたその時だった。







「・・・・・・ん?」



下駄箱に、何か入っている。
紙が・・・・一枚。
よく見ると、忍足君だった。
どうやら、屋上に来て欲しいのこと。



(なんだろう・・・・?)
話って、一体何?
クラスの中だって、ろくに話をした事がない、私と忍足君。
その彼が、話があるという。
これは・・・・・期待しても良いの?














私は、指定された場所、屋上に来た。
そこには、忍足君が一人でいた。









「忍足君。話って・・・・・・何?」
私は、彼に話し掛けた。



ねぇ、忍足君。
私は、期待しても良いのでしょうか?
それとも、期待はするべきじゃない?


私は、この場所に来て、緊張している。
彼と、二人きりになった事なんて無かったから。











さぁ、忍足君。
私は、期待をしたい。どうしても。
だから、どうか私が、欲している言葉を下さい。