緊張する。この瞬間。

















君の、 に。


























がやって来た。屋上に。
緊張の瞬間も、同時にやってくる。
彼女が、俺の目の前にいる。
俺を、見つめている。






どないしよう・・・・言葉が、上手く出てこないわ。
あかんあかん。
も、こまっとるやん。
がんばらなあかんで。
俺が、頑張らな、どうする。
此処で、やらなあかん。
俺は、男やろ?








「あ・・・・んな?」









声が震える。やっと、出た声は、かなり震えた声。
緊張のせいで震えている事は、分かる。
もしかしたら、にも、この緊張は伝わっているのやろか?
大会の時とは、違った緊張。







どう言えばいい?









そればかりが、俺の脳内を支配する。
いくら、ラブロマンスのビデオを見たって。
研究したって。なかなか言えない。
緊張したら、考えていた言葉も、台詞も、頭の中から、消えていく。
けれど、こんな事では先には進めない。








と、恋人になりたい。”








俺の、願いは、ただそれだけなんや。
だから、勇気をくれ。
目の前の、に伝えたい。この想い。


























が・・・・が好きなんや・・・・。」



























とうとう、言ってしまった。
自分の気持ち。
の、顔を見るのが怖い。
視線を、上げる事が出来ない。どうしても。








恐怖  恐怖  恐怖




地獄か、天国か・・・・。
果たして、俺の結末は、どっちなんやろうか?
叶うなら、天国に。
願わくば、俺の、望み通りに。
















「あの・・・・・さ。本当?その言葉・・・・。」










から、出た最初の台詞。
ん・・・・・?
もしかして、信じてへんのか?
俺の言葉を。俺の、本音を。
俺は、半信半疑の、を引き寄せ、力強く抱き締める。
の、香り。これは・・・・香水か?
嫌な、香りやない・・・・・・。









「あんな・・・・ほんまやねん。俺は、が好きや。
傍にいたいし、傍にいて欲しい。そう願ってるんやで?
だから、俺の・・・俺だけの、になってくれへんやろか。俺、幸せにするから・・・・。」







今度は、自然と出た言葉。
スラスラと、歌の様言葉が出てきた。
、分かるか?俺は、本気なんやで。


だから、俺の恋人になってくれへんか。
頼むわ。











「あ・・・・のね?私も・・・おし・・・・違う。侑士の事、好きだったんだ。」












なんやて?
俺の事を、好きやった??
ほんまかいな。これ、夢じゃないんやろな。
現実やろ?
と、言う事は・・・・・・・・・。






「俺達、両想いってやつか!?」
「あ・・・・うん・・・・そう・・・・だよ・・・。」



は、恥ずかしそうに答えた。
あぁ、無茶苦茶嬉しいわ!!!
が、俺の恋人になってくれるんや。


今日から、俺達は、恋人同士。
そう、ただのクラスメイトでもなく、ただの友達でもなく。





・・・・。」







俺、絶対に幸せにしたる。
俺だけの、
愛しい 愛しい、君。
絶対に、離さない。この愛だけは。
離したくない。
これからは、君の隣が俺の場所。これは、決して変わらないだろう。










俺は、顔を紅くして、恥ずかしがっていると、そっと口付けを交わした。
との、初めてのキスは、微かに甘かった。