空っぽだ。
今日、この日、この場所で
合コンなんて、つまらなかった。
確かに、始めの内は、何と無く良かった。
本当に、何と無く。
次第に、良くなくなってきて、気付けば、俺だけが異空間。
皆の空間には、俺の存在なんか、全く無かったかの様に、なっていた。
(あぁ、やっぱり来るべきじゃなかったか。失敗したなぁ・・・・。)
今更ながら、後悔している自分がいる。
こんな事なら、一人で音楽でも聞いていた方が、良かった。
悲しんでいた方が、良かったんじゃないかと思うよ。
の事を、想いながら。
といた、短い期間を回想しながら。
が、好きだった曲を聴いて。
コンナバショニイタッテ、ナニモナラナイコトヲ、シッテイタクセニ。
俺は、思わず笑ってしまった。
余りの、自分の、馬鹿さ加減に。
合コンをしている連中から、視線を逸らして、窓際の方へと視線を向けた。
無意識だった、行動。
けれど、俺の目は、一カ所で止まる。
他には、目を向けられなくなった。
見覚えがある。
直感だったけれど、見覚えがある姿があった。
一人、携帯を持つ女性。
顔は、長い髪で隠れているから、分からないけれど、雰囲気が・・・・・に似ている。
気のせいだろうか?
疲れているのだろうか。もしかしたら。
最近、休んでいなかったからかもしれない。
ゆっくり、休んでいなかった。
夢を見ないように、していたから。の、夢を。
を、見たい。けれど、その反面、見たくもない。
声を掛けてみようか。
一人でいる、彼女に。
でも、もし違ったら、どうする?
期待が、淡い期待が、裏切られてしまったら?
そう考えると、軽々しく、声を掛ける事も、出来ない。
勇気すら、奪われてしまう気がする。
振り向いてくれないだろうか?俺の方に。
俺は、願う。彼女が、振り向いてくれる事を。
お願いだ。
神様、頼むよ。
俺に、味方してくれないかな。
散々、酷い事をしてきた俺だけど。
今回は、味方して欲しいんだ。
どうしても。何としても。
確かめたいから。
確認したいから。
今の俺には、自分から行く、勇気がない。
ナンパみたいな事すら、しようと思わない。
頼むから、振り向かせてくれ_____。
「済みません。」
彼女が、俺の方を向いた。
天は、俺に味方してくれたみたいだ。
俺は、彼女の顔を見る。
淡い期待を持ちながら。
「・・・・・・・・。」
時が止まったように、感じた。
俺は、彼女の名前を呼んだ。
“間違いない。”と、確信したから。
そう、間違いないんだ。
彼女は、だ。
俺が、ずっとずっと、再会を望んだ女性。
逢いたいと、願っていた、愛しい彼女。
涙が、溢れた。
止まる事なく、溢れ続けている。
あぁ・・・・逢いたかったよ。。
俺は、待っていたんだ。この時を。
「・・・・。」
俺は、彼女を抱き締めた。
もう、二度と離さないと、誓い、力強く。
店の中だろうが、関係なかった。
俺は、に逢えた嬉しさの方が、強かったから。