俺は、嫌だった。二人きりにするのは。
君の、想い。俺達の、想
い。
跡部が、やって来た。
に、用事がある?冗談じゃなか。
お前なんかに、を渡すものか。
何処に行っても、関係ないなんて、言わせない。
俺は、が好きなんじゃ。
もし、お前が敵になるならば、関係なくはない。
関係は、大ありじゃ。
「どうしてだ?お前等、付き合ってないんだろ?」
煩い。
付き合ってはいなくても、二人きりになんかさせるものか。
は、俺のモノ・・・・・・いや、違う。
俺のモノじゃない・・・・そうじゃないが・・・嫌だ。
、跡部と行かないで。
俺を、置いていかないで?一人にしないで。お願いだから。
「お前さぁ・・・・此奴の・・何?」
跡部が、痛いところをついてきた。
本当に、的確に。何て男じゃ・・・。
俺は、の・・・何?
そんなん、見れば分かるはずなのに。
態と、そうやって聞いてくるんか。
を見ると、どうしてそんな事を跡部が、聞くのか分からない様子だった。
それも、その筈。は、俺の気持ちなんか知らないのだから。
伝えていない。伝えられない。
悲しい、現実。
「何だよ。答えられねぇの?フン・・・案外、度胸ねぇんだな。お前。」
むかついた。
ハッキリ言って、俺は、跡部が嫌いになった。
今、この瞬間。
今までは、どうでも良かった。
でも。今日、この場所で、嫌いになった。
此奴だけは、許せない。
跡部だけは、好きになれない。
何故なら、敵だから。俺の。
あの、不敵な笑みも、苛々の要因となる。
殴ってしまいたい。今此処で。
出来る事ならば、そうしたかったが、の手前。それは、許されなかった。
は、暴力は、嫌いな子。
以前、に現場を見られた。
俺が、野郎を牽制していた場面を。
しまったと思った。あの時。
あの後、沢山怒られた。
誰にかって言うと、に。
一時間位、叱られた。
あの日から、の前では、暴力等の行動は起こさない様にした。
嫌われたくないから。
は、まだ、俺のモノじゃない。
だから、嫌われない様にするので、精一杯。
「おい、何とか言えよ。それとも、何も言えないのか?
案外、弱いんだな。仁王。俺が、此奴貰っても良いか?
構わないよな。反論してこねぇんだからよ。文句は、ないんだろう?なぁ?」
跡部は、そういうと、の腕を掴んだ。
俺の、反応を楽しむかの様な表情。
頭に来る。何なんじゃ・・・・お前は・・・。
その手で、に触るな。
の、綺麗な手が、汚れる・・・。
もう、頭に血が上りそうじゃ・・・・。
我慢ならん。どうしても。
こんな仕打ち、許すはずなかと。
「俺だって・・・・俺だって、が好きじゃ!!!!」
気が付けば、大声で叫んでいた。
もいるのに。
こんな場所で、言うはずじゃなかったのに。
跡部の挑発に、乗せられてしまった。
「へぇ・・・・奇遇じゃねぇか。俺と、お前は、“敵”って事で構わないよな?仁王。」
「上等じゃ・・・・俺は、お前になんかに負けん。」
「はん。それは、こっちの台詞だ。」
俺達は、睨み合っていた。
宣戦布告だ。跡部。
この勝負、どちらが勝つか・・・・・。