これは、夢?
君の、想い。俺達の、想
い。
一体、どうしてこうなったのだろう。
私が、この場所に来なければ、こんな事にはならなかったのだろうか。
分からない。
ただ、分かったのは、仁王先輩は、私の事が好きで、目の前にいる人も、そうだと言うこと。
こんな時、私は、どうすれば良いの……?
分からない。これも。
逃げたい。逃げ出してしまいたい。
逃げて逃げて逃げて………私を、知っている人がいない世界に行ってしまいたい。
でも、そんな事は、不可能で。
目の前に、問題が立ちはだかる。
逃げられない。
私は、そう感知した。
だから、逃げられない。逃げられなかった。
「おい、話しは聞いていたんだろう?」
突然話し掛けられた。
仁王先輩じゃなく、跡部……さんの方に話し掛けられた。
「そういう事だ。覚えておけよ?お前が逃げようとしても無駄だからな。俺は、逃がさない。」
強い、意志が宿る瞳。
仁王先輩も、それには賛成の様で、私を見つめながら頷く。
あぁ、これは夢じゃない。
現実。今、起こっている出来事。
でも、私は………強くない。
こんな突然起こった出来事に、すぐに対処出来る程、凄い人間じゃないの。
暫く、考えたい。一人で。
お願いです。考える位の時間を私に、下さい。
神様だって……その位は、許してくれるでしょう?
猶予がないとは、言わせたくない。