これからどうするべきか。
君の、想い。俺達の、想
い。
には、会ってない。
元々、学校が違う為、会いに行けない。
それに、俺は、テニス部の部長だ。
俺が、サボってんじゃあ、部員に示しがつかない。
かといって、仁王の動きが気になる。
俺は、東京。奴は、神奈川で同じ学校。
「・・・・・・・・何か・・・何か、接点があれば。」
と俺を繋ぐ糸。
それが、一つでもあれば良いのに。
今のままでは、仁王が有利のままじゃねぇか。
これを何とかしないと、先には、進めない気がする。
だが、あの女。
「気のせいか。」
まぁ、考える必要は無いだろう。必要事項じゃない気がする。
「会いに行ったらどうや?確かに、自分は部長やな。
せやけど、気になる子が出来たんなら、俺は、会いに行くべきやと思うで?」
部活中、忍足がそう言って来た。
この野郎。お前が、部長になってみろ。
俺がいなかったら、どうなっている事か。
それに、俺が嫌なんだ。
例え、そうしても良いとしても。それだけは。
テニス。
手塚や、真田に負けられねぇよ。
休んではいられない。絶対に。
奴等は、日に日に強くなる。
俺も、苦しい特訓に耐えながら、強くならなければ。
恋愛の為に、テニスを休む?
はん、冗談じゃねぇよ。それはそれ、これはこれだ。違うか?
それが嫌だってんなら、そんな女はいらねぇよ。
俺は、俺の事を理解して、愛してくれる女が、欲しいんだからな。
「せやけど・・・・・・・・。」
「うるせぇよ。ほら、練習を始めろ。どんどん帰りが遅くなるぜ?」
今は、テニスに集中させろ。
俺は、テニスをやる時には、テニスの事だけを考えたい。
「・・・・・・・・・・・・・どうなっても知らんからな。」
忍足は、そう言い残して、練習を再開する為に、コートへと戻って行った。
はん、何言っていやがる。
お前に、未来が分かると言うのか?
未来が分かるなんて、可哀相だな。
未来は、分からないから面白い。
丸っきり分かるなら、何をしたって無駄だな。
「・・・・・・帰るか。」
八時ちょうど。
そろそろ帰る時間か。他の奴等も帰ったみたいだしな。
俺は、着替えを済ませて、帰る事にした。
帰ったら、何か策を練ろう。
問題は、仁王以外にもまだあるだろう。山積みだ。頭が痛む。
だが、アイツを手に入れられるならば、するしかない。
たった、一日。
この俺が、どうした事か。
たった一日だけだったのに。が気になる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あん?」
俺は、見掛けた事がある人影を見つけた。
「まさか・・・・・・・・。」
まさか。信じられない。
だが、追い掛けてみる価値はあるだろう。
俺は、その人影を追い掛けるべく、人込みの中を走り出した。