コイツ・・・・・。
君の、想い。俺達の、想
い。
仁王・・・・・テメェは、俺の邪魔ばかりしやがる。
を、奪いやがった。
あぁ、畜生・・・・!!!
「仁王、を寄越せ。」
「嫌じゃ。」
「お前の女じゃねぇだろ?」
「次期に、なる。」
何て自信だよ。
そんなもんが、何処にあるんだよ。
どうして、確信出来るよ。
頭、可笑しいんじゃねぇ?
実際、お前に惚れたなんて、は言っていない。
「ほら、早く離せ。」
「無理。」
「無理じゃねぇ。」
本当に、邪魔だ。
折角、会えたって言うのに。
これじゃあ、台無しだ。
は、何も言わない。
嫌ならば、嫌と言えば良いものを。
何故、何も言わない。
「仁王、俺はと話がしてぇんだよ。」
「それが?俺が、許す訳ないじゃろ。」
あぁ、そんなの分かってる。
だが、そうだからと言って、引き下がるなんて御免だ。
「ちょっと、そこのお二人さん。」
俺達の間に、一人の女が割って入って来た。
何だ?
私服だから、どこの奴かも分からない。
しかし、仁王との二人は、知っているみたいだった。
「やぁ、久しぶりだね。お二人さん・・・・・・・と、見た事もない約一名。」
「跡部景吾だ。覚えておけよ。」
「悪いが、覚える気は更々ないんだ。約一名で十分だろう?約一名。」
・・・・・・・・・・・よくねぇよ。
俺の名前、覚えておけよ。
たった、四文字だ。
四字熟語を覚えるよりも、簡単じゃねぇか。
「・・・・・・・、何でこんな場所におるんじゃ?」
「いたからいるんだ。仁王、私がいるのはいけないのか?この場所は、私の出入りが禁止になっている区域か?」
「・・・・・・・・・・いや。」
「そうだろう。じゃあ、は私が頂くよ。」
「「・・・・・・・・・・は?」」
仁王と、声が重なった。
言った言葉も、重なった。
正直・・・・気に食わないな。
だが、どうやら思っている事は同じらしい。
「仁王と約一名。お前達は、を困らせてばかりだ。そんなお前達に、を任せていたら、彼女が駄目になる。分かるよな。」
何も、言えなかった。
確かに俺達は、自分の気持ちばかりを優先していた気がする。
自分達の事を、考え過ぎ・・・の意志は、後回しにしていた。
なんて・・・・・馬鹿なのだろうか。
こんな自分が、“好きだ”と言っていいのだろうか。
「よく、考えるように。これは、君達にとっては大変な宿題になるでしょうね。」
「・・・・・・・おい、仁王。」
「何じゃ・・・・。」
あの後、女はを連れていき、俺達は取り残された。
「少し、考える時間が必要かもな。」
俺も、お前も・・・・・そして、も。
「お前に言われなくても・・・・。」
“分かっている”
仁王は、そう言い残すと帰っていってしまった。
まだ、時間はあるんだ・・・・。
だから今は、君から距離をおこう。