困った人達。
君の、想い。俺達の、想
い。
あのまま、見過ごさなくて良かった。
あの時、眼鏡を掛けていて良かった。
だと、分かって良かった。
本当に、良かった。
「大丈夫かな?」
「大丈夫・・・・。」
「あの二人は・・・・何?何だか、面倒な事になっているみたい。」
は、無言になってしまった。
言いたくない・・・・ね。
まぁ、それも一つの選択肢だろう。
時に、“逃げ”という卑怯な選択肢にもなるけれど。
その選択肢が、世界から消えない限り、無理だろう。
「好きなの?」
「分からない。」
「分からない?」
「そう。」
は、私を見ていない。
分からないのは・・・・・かなり、痛い気がする。
仁王は、どうするのだろうか。
彼は、ずっとずっと・・・・・・これでもかって位、を愛している。
その仁王の気持ちは、報われない?
あの良く分からない人間より、私は仁王を選んで欲しい。
仁王と、幸せになってくれないだろうか。
の心は、揺れている。
(邪魔だな・・・・あの約一名は。私が、潰しておくか。)
「・・・・・・急過ぎると思わない?いくら神様が、出来ない人間に出来ない試練を与えないと言っても・・・・・この試練は、正直キツイ。これじゃあ、死んだ方がマシ。」
「何、馬鹿な事言ってる。死んだ方がマシ?じゃあ、残された人間は?は、逃げるのか。
気持ちを受け止めずに、“死”に逃げるのか?逃げて、楽になる?馬鹿言うな。楽になんか、なるか。生きてこそ、意味がある。簡単に、言うんじゃない!」
らしくもない。
こんな感情的になってどうするんだろうか。
感情的になって、良い事なんか何もない。
冷静になるのが、一番対応も考えられて良いのに・・・・・。
「言い過ぎたな。済まない。」
「大丈夫。有り難う・・・・・。」
は、涙を流しながらも、微笑んでくれた。
怒る事もせずに。
どうして彼女は、怒らないのだろう。
怒っても、構わないのに。
どうして彼女は、好かれたのだろう。
仁王雅治に、愛されたんだろう。
私には、切原がいる。
だから、そんな事を考えても仕方がないといえば仕方がない。
けど人間は、考えてしまう。
何も考えなくなってしまったら、それこそ終わりだ。
自分の人生を、終わりにする時じゃないだろうか。
あぁ・・・・違う違う。
これでは、に“死ぬな”と言った自分が否定される事になるな。
考えを、改める事にしよう。
「、これで全ての人生が決まる訳じゃない。ただ、路が二つに別れているだけだ。多少変わるかもしれないが、自分で修正させようとすれば、不可能じゃない。
どちらか、一人・・・・じゃなくても、二人共選ばなくても良いという選択肢もあるぞ。まぁ・・・・・私としては、仁王が良い。だが、あくまでも私の意見だ。忘れても構わない。」
「覚えておく。忘れたりしないよ。」
“そうか”
と、私は言った。
“うん”
と、彼女は笑って頷いた。
私は、彼女が最良の選択が出来る事を願うだけだった。
どうか、幸運を・・・・。

