どんな女なのか、お手並み拝見と行こうじゃねぇか。
真実
「忍足。さっきの女の事、詳しく教えろ。」
「なんや?興味持ったんか?」
「この目で確かめてみるだけだ。」
そうだ、確かめるまでは、信用できない。
信用するはずがない。
俺は、絶対に、そんな女はいないと思っているから。
「二年の、 って子や。大抵、図書館にいるで。」
「図書館・・・・ね。今日、早速行ってみるか。」
二年か・・・・。
二年の女にも、手を出していたから、もしかしたら擦れ違ってはいるかもしれないな。
。
一体、どんな女だ?
今までのような、変わらない女だったら、御免だな。
俺は、放課後、練習の前に図書館に立ち寄ってみる事にした。
「・・・・・・・本当にいるんだろうな。」
図書館の中は、静まり返っている。
いつも、静かすぎて、この場所は使えない。
スリルがあるとは思うけどな・・・・・。
「さて・・・・・と。」
そんな事は、今考えるべきじゃない。
目的の女を捜さなくては。
この場所に、来た意味がないじゃないか。
一体何処にいる?
人の気配がしない、この部屋の中に本当にいるのだろうか。
居なかったら、無駄足だな・・・・・。
俺は、一通り回ってみた。
しかし、誰一人として、この部屋に存在する者は居ない。
あるのは、本ばかり。
この部屋に存在しているのは、本。
それ以外に、何もない。
忍足め・・・嘘の情報を、俺に言いやがったな。
「仕方ねぇ。練習に行くか・・・・。」
俺が、出入り口のドアを開けたその時だった・・・・・・・。
「あ・・・・・・・ご、ご免なさい。」
出入り口で、一人の女とぶつかった。
髪が、腰まである。
少し、茶系の長く、綺麗な髪。
見ていても、別にうっとおしく感じさせない。
肌は、透き通るように白くて美しい。
睫が長い、その大きな瞳に、俺が映っている。
スラッと、伸びた脚。
思わず、全てに見惚れそうになった。
いや、見惚れてしまった・・・と言った方が正しいな。
こんな女が、この学園にいたか?
いたとしたら、俺は、とっくに気付いているはずだが・・・・・・。
何故、忍足が知っている?
「あ・・・・・の。お怪我は・・・。」
女は、心配そうに俺に尋ねてくる。
しかし、怪我をしそうなのは、本人の方じゃないのか?
俺よりも、小さく、細い。
そして何より、女なのだから。
「大丈夫だ。」
「そう・・ですか。本当に、済みませんでした。」
女は、もう一度俺に、謝罪の言葉を述べると、中へと入っていこうとする。
「待て。」
その、行動を、俺は阻止した。
何故ならば、聞かなければならない事がある。
「お前、名前は?」
俺の、質問に彼女はこう答えた。
「 と申します。」
。
俺が、自分のこの目で見定めたいと思った相手。
さぁ、見定めさせて貰おうじゃねぇか。
お前が、他の女とは、違うかどうか。